Routledge Research in International and Comparative Education Globalization and Japanese “Exceptionalism” in Education Insider’s Views into a Changing System
グローバリゼーションの中にあって、各国の教育政策者、教育関係者はかつてないほど诸外国の教育モデルを参照するようになっている。国别ランキングが隆盛を迎えた今日、翱贰颁顿が実施する笔滨厂础や国际的な大学评価等でランキングにおいて上位の国に视察団を送り、教育モデルを参照することは珍しくない。
高等教育においては、長らくアメリカをはじめとする西欧の大学が高く評価され、世界的なモデルとなってきた。初等?中等教育 (および幼児教育) においても、国際的に広く普及しているモデルの多くは、西欧諸国の教育モデルである。そのため、国際的には、主として西欧諸国の教育モデルを「標準」とみる傾向がある。
たとえば、「21世紀型教育」として、いわゆる「学力」や狭義の「勉強」を越えた対人関係能力等の育成を重要視している国は数多い。しかし、国際的に広く普及?参照される場合には、西欧発の「社会情動教育 (social and emotional learning)」がモデル化され、「標準」視されている。
日本は、後発的な発展を遂げた国として、高等教育段階において西欧モデルを受容してきた一方で、初等?中等教育 (および幼児教育) 段階では、西欧モデルとは異なる発展を許されてきた歴史がある。日本の教育モデルは、西欧諸国の教育モデルと対比して、ある部分では西欧モデルよりも「先進的」なモデルとして捉えられ (例 授業研究)、ある部分では「後進性」が問題視され、またある部分については国際的に知られていないという状況にある。
このように、西欧の教育モデルが「标準」视され、日本の教育モデルが「例外」と捉えられがちな状况を踏まえた上で、本书は、国际的にみた日本の教育の「例外」性は何か、どのような点において先进性があり、どのような点において课题があるのか、について他のアジア诸国も视野に入れながら问题提起している。
日本の教育に関する英文図書は、諸外国の研究者の視点によるものが多いが、本書はアジアの研究者 (内側) から問い直す視点 (insider’s view) を一つの特徴としている。また、「例外」性ゆえに持つ後進性 (グローバリゼーションへの対応や多文化共生など) と、先進性を合わせて示そうとしたところに第二の特徴がある。
本書は、科研費基盤 (A) (代表:恒吉僚子教授、No.15H01987) による研究支援を受けたものである。研究プロジェクトについては、東京大学大学院教育学研究科附属学校教育高度化?効果検証センターのホームページを参照のこと。
(紹介文執筆者: 教育学研究科?教育学部 教授 恒吉 僚子 / 2017)
本の目次
1. Introduction
Ryoko Tsuneyoshi and Yuto Kitamura
2. “Exceptionalism” in Japanese education and its implications
Ryoko Tsuneyoshi
3. Japan’s challenge in fostering global human resources: policy debates and practices
Akiyoshi Yonezawa and Yukiko Shimmi
4. Global citizenship education in Asia
Yuto Kitamura
Section II Globalization and the multicultural challenge in Japan
5. From high school abroad to college in Japan: the difficulties of the Japanese returnee experience
Yoriko Ida
6. Breaking in or dropping out? Filipina immigrant girls envisioning alternative lives in a globalized world
Tomoko Tokunaga
7. Transition from university to work in Japan: approaching experiences of international students
Chun-Yi Tan
Section III Case studies in meeting the global and multicultural challenge
8. 春雨直播app PEAK program: venues into the challenges faced by Japanese universities
Yujin Yaguchi
9. Developing human resource for a multicultural coexistence society: a case study of Gunma University-Gunma Prefecture Cooperation Project “Multicultural Community Advancement Officers” certificate program
Yuki Megumi
Section IV The issues revised
10. Why does cultural diversity matter? Korea higher education in comparative perspective
Gi-Wook Shin and Rennie Moon
11. Globalization or Anglicization? A dilemma of English-language teaching in Japan
Yoshifumi Saito
12. Japanese schooling and the global multicultural challenge
Ryoko Tsuneyoshi, Fumiko Takahashi, Hideki Ito, Lee Seulbi, Maiko Sumino, Tate Kihara, Satsuki Kubodera, and Hikaru Ishiwata