有斐阁アルマ Specialized 戦后日韩関係史
韩国は日本の植民地支配から解放され、建国されてから约70年が経过した。さらに、1965年に日本と国交正常化されてから50年を経过している。80年代までの冷戦期には、反共自由主义阵営の一员として政治経済における紧密な协力を行うことで、韩国は持続的な経済発展と政治的民主化を达成し南北体制竞争に胜利すると共に、日本の安全保障にも贡献した。しかし、市民社会间の交流は限定された。その后、90年代の脱冷戦期に入ると、一方でそれまで制限された市民社会间の交流が活発になったが、他方で、日韩関係が対称的なものに変容し中国の存在感が高まる中、日韩の间には过去の歴史に起因する「未解决」の诸问题が顕在化すると共に、それが现在における日韩间の竞争局面にも连携し日韩関係は葛藤に満ちている。価値観が共有され交流が高まるが、それと共に葛藤も増しているというのが日韩関係の现住所である。そして、2000年代以降、北朝鲜の核ミサイル开発という安全保障上の危机が日韩を直撃する。
日本の政治外交史の専門家ではなく、主として朝鮮半島の政治研究を専門とする4人の著者が、10年ごとの時代区分に基づいて、(1) 日韓関係を取り巻く国際関係、(2) 日韓政府間関係、(3) 日韓の経済関係、(4) 日韓の市民社会間関係、という4つの次元とその相互関係に留意して、戦後の日韓関係の歴史的展開を分析したのが、本書である。
序章で戦后日韩関係を鸟瞰する见取り図を提示した后、第1章は1950年代に焦点を当て、韩国の李承晩政権との间で国交正常化に向けた日韩交渉が米国の仲介で始まったが、交渉が行き詰まったのはなぜかを考察する。第2章は60年代に焦点を当て、日本との経済协力に基づく経済発展を指向した韩国の朴正熙政権との间で、65年国交が正常化される过程を分析する。第3章は70年代に焦点を当て、中国をめぐる国际関係が変容する中、それが日韩関係に及ぼした影响について、葛藤と协力という2つの方向から解明すると共に、従来封じ込められた市民社会间関係の萌芽を指摘する。第4章は80年代に焦点を当て、新冷戦下で米国が仲介する日韩関係という构図が再现されると共に、韩国の民主化运动をめぐる日韩市民社会の交流が本格化したことを强调する。第5章は90年代に焦点を当て、冷戦の终焉が日韩関係に及ぼした影响について、それに起因した诸问题の顕在化とそれに取り组む日韩関係の力量强化という双方向から分析する。第6章は2000年代に焦点を当て、日韩関係が抱える诸问题同士の连関を解明する。第7章は2010年代に焦点を当て、日韩関係の现状を歴史の中に位置づける。终章では序章の问题意识に対応して、国际政治の理论と日韩関係の対応関係を検証する。
以上、本书は、戦后日韩関係に関する歴史的分析を通して葛藤に満ちた现状の原因を解明すると共に、その葛藤をどのように克服するのか、その条件を示唆した。大学授业の教科书として利用することを念头に置いたものである。
(紹介文執筆者: 総合文化研究科?教养学部 教授 木宮 正史 / 2017)
本の目次
第1章 戦後日韓関係の始まり──1950年代 (李 鍾元)
第2章 冷戦と経済協力──1960年代 (木宮正史)
第3章 冷戦の変容と関係の緊密化──1970年代 (木宮正史)
第4章 韓国民主化と市民社会交流──1980年代 (磯崎典世)
第5章 脱冷戦期の協力の模索と課題の噴出──1990年代 (磯崎典世)
第6章 複合化する日韓関係──2000年代 (浅羽祐樹)
第7章 「普通」の2国間関係へ──2010年代 (浅羽祐樹)
終 章 今後の日韓関係に向けて (李 鍾元)
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