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东京大学教员の着作を着者自らが语る広场

エルサレムの写真とユダヤ教徒たちのイラスト

书籍名

ふくろうの本/世界の歴史 図説 ユダヤ教の歴史

着者名

判型など

132ページ、 A5変形

言语

日本语

発行年月日

2015年3月24日

ISBN コード

978-4-309-76230-2

出版社

河出书房新社

出版社鲍搁尝

学内図书馆贷出状况(翱笔础颁)

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本书の第一の特徴は、豊富な図版によって歴史を俯瞰できたことである。ユダヤ教は歴史の表舞台に现れないことが多く、ユダヤ人自身も文字资料しか残さない倾向があるため、その歴史は「语り」を中心に构成されがちである。本书はシリーズの方针に后押しされ、図版で歴史を示す难しさに取り组み、その豊かな侧面を明らかにしている。
 
内容面の最大の特徴を挙げるとすれば、ユダヤ教あるいはユダヤ人の歴史は世界史の教科書において、キリスト教の前史として、あるいはナチスの被害者として語られるのみであるため、本書は、その時間 / 空間 / 思想の大きな断絶を埋め、ユダヤ教それ自体の歴史的発展を一望できるようにしたことである。その際に次の二点が意識されている。第一には、欧州?イスラーム両方の歴史を扱うことである。とりわけイスラーム世界は、中世にはユダヤ教徒の約9割が住んでいたと言われながら、その歴史を日本语で紹介する文献は稀である。また第二には、宗教?思想の多様な側面に焦点を当てると同時に、世俗?社会的側面の歴史も追跡したことである。
 
具体的な内容としては、まず、旧约圣书で描かれる古代イスラエル时代の歴史を最小限に抑え、ラビ?ユダヤ教の成立に焦点を当てた。ミシュナ?タルムード成立の歴史と现在にまで受け継がれる特徴をまとめ、その后の歴史的展开の基础としている。またカバラーにも章を割き、正统以外の思想の発展をも跡づけた。ラビ?ユダヤ教の伝统に根ざしつつも、各时代の社会背景を基盘として外来の思想を取り入れながら、縦横无尽に教义を発展させ、现代に至るまでの活発な活动を俯瞰することによって、ユダヤ教の深奥で柔软な侧面を知ることができる。また宗教的な侧面の他に、イスラーム世界での商人としての活动、西欧近世におけるゲットーの隔离と共同体の运営など、生活を垣间见る要素も散りばめている。现代の中东情势とは里腹に、中世に於いてユダヤ人は、とりわけイスラーム世界で活跃する。「启典の民」として保护され、社会的に重要な地位を得、表舞台で活跃するユダヤ人たちの様子は、常々歴史観を剧的に修正する必要性を感じてきた。他方で西欧のゲットーの章は、建筑史の视点を取り入れつつユダヤ人たちが置かれた社会の阴そのものに迫り、否定的な受容という性格をあぶり出している。
 
これらの宗教的?世俗的侧面は、近代のヨーロッパ世界への参入をめぐる诸问题へと繋がる。ユダヤ人の解放とそれに対するユダヤ社会の反応は一様ではないため、地域的特徴を际立たせつつ、现代に至る激动の流れを説明した。西欧での解放?同化とそれに伴うユダヤ教の変革、フランス启蒙思想とドイツ?ロマン主义の间で起こる、同化派とシオニズムへの分裂は、近代西欧社会の矛盾を示し、ナチズムを构成する诸问题は未だ解决されていないことを示す。また东欧ユダヤ教の発展の独自性は现代のユダヤ教を语るうえで不可欠であるため、限られた范囲ながら言及できた。ラビ?ユダヤ教とカバラーの流れを受け継いで正统主义とハシディズムへと、ユダヤ教の新たな局面を生み出したが、ポグロムによって移住したアメリカとパレスチナでさらに多様な方向へ発展する。これらの要素はすべて、现代ユダヤ教をめぐる问题の复层性を探るうえでの土台となっている。
 

(紹介文執筆者: 人文社会系研究科?文学部 教授 市川 裕 / 2017)

本の目次

第一章  ラビ?ユダヤ教までの歩み
第二章  ラビ?ユダヤ教の成立と特徴
第三章  イスラーム社会のユダヤ教
第四章  カバラー
第五章  中近世西欧のユダヤ人ゲットー
第六章  近代国民国家におけるユダヤ教の多様性
第七章  二○世紀のユダヤ教―ショアーとアメリカとイスラエル
 

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