大学职员人事异动制度の実証的研究 职务遂行高度化への効果検証
「ひとつの分野を极める」という言叶を闻くと、どのような印象を抱くでしょうか。何となくいい印象を抱いた方が多いのではないでしょうか。そして、「労働者は、自らの意思で选択した特定の分野における知识?経験を活用することで、仕事がよりできるようになり、仕事を通じて得られる満足感も高まる」という主张を闻くと、これも何となく纳得する方が多いのではないでしょうか。
しかし、少しだけ立ち止まって考えてみると、先の考えには、以下のような疑问を容易に提示することができます。
「あなたが (若いころに) 選択した『ひとつ』の分野の知識?経験だけで、現実の仕事はうまくこなせるのでしょうか?」
「あなたが (若いころに) 選択した『ひとつ』の分野は、”仕事の場において”本当にあなたがもっとも得意だったり、もっともやりたかったりする分野なのでしょうか?」
本書が対象としている大学事務職員の仕事は、総務人事、経営企画、財務経理、教務学生支援、入試広報、研究支援、国際交流など、さまざまな分野で構成されています。また、この仕事上では、教員や学生だけでなく、文部科学省や民間企業など、さまざまなステークホルダーとかかわる必要があります。そのような仕事を遂行するうえで、「人事異動制度 (≒定期的な人事異動)」はどのような意義?効果を持っているのか、これが、本書で行った研究の目的です。
「人事异动」とは、组织内のあるポジションから别のポジションへと配置が変更される制度であり、日本公司においては、労働者の希望よりも、人事部门の意向が强く反映されると言われています。その目的には、个々人の适性の発见や、幅広い経験を通じた人材育成などがありますが、一方で、特定分野の専门性の醸成を阻害するという点で批判もある制度です。
本書で明らかにした、大学事務職員の人事異動制度の効果を簡潔にまとめると、以下のとおりです。大学事務職員は、職位が上昇 (つまり出世) すると、幅広いタイプの仕事を、幅広いステークホルダーとかかわりながら遂行する必要が生じます。しかし、職位が低い時期には、経験できる仕事のタイプやステークホルダーとのかかわりの範囲は限定されています。ただし、分野を超えた人事異動によって、その限定性が打破され、職位が低い時期から、さまざまな仕事やかかわりを経験することができます。また、制度として一定の強制力があることで、ほぼすべての職員にそのような機会が与えられるとともに、人的ネットワークの構築にも貢献している点も重要です。
最后に、本书では、大学事务职员というひとつの「対象」を、复数の観点から切っていくことで、対象についての理解を深めていく研究手法を採用しています。特定の「方法」を深化させるタイプの研究の面白さとは异なり、ひとつの観点からは见えなかったものが、复数の観点を重ね合わせることで见えてくるという、対象研究の面白さについても、本书を通じて伝わることを愿っています。
(紹介文執筆者: 木村 弘志 / 2023年6月2日)
本の目次
第1部 本研究の枠组みと方法
第1章 先行研究レビューと本书の构成
第2章 本研究で使用するデータ
第2部 人事异动制度の効果検証
第3章 人事异动制度がもたらす职务の変质
第4章 人事异动制度がもたらす业务内経験
第5章 人事异动制度がもたらす能力の変容
第6章 人事异动制度がもたらす职务遂行の高度化
终 章 本研究の结论と残された课题
引用?参考文献/参考资料/あとがき/索引