
书籍名
描かれた「故郷」 日本统治期における台湾美术の研究
判型など
352ページ、础5判
言语
日本语
発行年月日
2023年3月28日
ISBN コード
978-4-13-086065-9
出版社
东京大学出版会
出版社鲍搁尝
学内図书馆贷出状况(翱笔础颁)
英语版ページ指定
本書は、日本帝国が植民地台湾 (一八九五~一九四五) に導入した「美術」の制度と概念を検討することによって、「美術」における「台湾」概念とその表象の成立について、制度?概念?言説?作品などの側面から考察したものである。また、「台湾的」表象を分析する際、「故郷」という観点を導入し、台湾人芸術家らの「台湾人」としてのアイデンティティの問題を検討した。
本書の前半では、主に制度史的観点から分析を行っている。「台湾美術」という枠組みは、植民地統治下において、「美術」の概念と制度が台湾に移植された過程から形成されたとも言えるからである。特に台湾美術展覧会 (台展、一九二七~一九三六) を中心とした日本統治期における台湾画壇では、独自性のある「台湾美術」を創造しようとする「地方色 (ローカル?カラー)」の表現は、その最も中心的な概念だった。本書は先行研究とは異なる視点から、植民地美術展覧会における「ローカル?カラー」という問題を考察した。つまり、台展における「ローカル?カラー」の概念は、西洋的近代性を普遍的な価値基準としたときに、それと対照されて現れる独自性 (「地方性」) であると、筆者は考える。また、台展において「ローカル?カラー」を表現するという方針には、新しい郷土芸術を創造せよという要請が含まれていた。台湾を郷土として認識した上で、この土地に根ざす「内台融合 (日台融合)」の新しい郷土芸術を生み出そうという展覧会の方針は、統治者側による同化政策の一部であると言えるが、台湾人にとって、台湾の独自性を追求することは、かえって彼らの共同体意識を集結させるものであった。
郷土の風物を題材として取り上げることは、台展に始まったものではなかった。台湾人の芸術家はもっと早い段階で台湾を「故郷」として認識し、「故郷」を創作の題材にした。本書の後半では、黄土水 (一八九五~一九三〇)、陳澄波 (一八九五~一九四七)、陳植棋 (一九〇六~一九三一)、郭雪湖 (一九〇八~二〇一二) などの台湾人芸術家による「故郷」意識の下で制作された作品を例として取り上げ、彼らが日本の帝展 (帝国美術院展覧会) および台展に入選した作品を分析することによって、「台湾」という概念がどのように造形化されたのかという問題、そして作品の中に潜む台湾人のアイデンティティの問題を考察した。この問題については、「植民地的近代」という観点から分析を進めた。植民地の青年らは、統治者がもたらした近代文明を積極的に取り入れつつ、植民地の民族的差別統治に抵抗する経験の中で、自らの共同体意識を形成していったことが、これらの作品が制作された背景にあると筆者は考えるからである。
このように、近代性の追求と地方色の表现とのはざまの中で、台湾人芸术家のなかに自らのアイデンティティと「台湾」とを繋ぐ「故郷」意识が発生した。しかし、それらの作品には、それぞれ异なる立场や考え方を持つ芸术家による「台湾的」主题の表现の复雑さと、多层的な意味がともに见て取れるのである。
(紹介文執筆者: 邱 函妮 / 2023年3月31日)
本の目次
第一节 研究史と本书の方针
第二节 本书の构成
第一章 台湾における「美术」概念と制度の成立
はじめに
第一節 台湾美術展覧会と「美術」概念?制度の移植
第二節 「植民地的近代」のジレンマ─黄土水を例として
第三節 独自性の追求――「台湾美術」という枠組みの成立
おわりに
第二章 近代台湾美术における「地方色(ローカル?カラー)」と郷土芸术
はじめに
第一节 先行研究と本章の方针――「地方色」について
第二节 近代日本美术における「地方色」――「生の芸术」论争
第叁节 台展における「地方色」――総督府?日本人审査员?评论界
第四节 郷土芸术と地方色
おわりに
第叁章 官展の出品作品に见る「台湾的」主题――黄土水、郭雪湖、陈植棋の作品を例として
はじめに
第一节 フォルモサ芸术の创造――西洋画団体?赤岛社
第二節 「故郷」の発見――黄土水の《水牛》シリーズ (一九二三~一九三〇年)
第三節 屈折した自己表現――郭雪湖《南街殷賑》(一九三〇年) の二重の意味
第四節 隠喩の殿堂――陳植棋の《台湾総督府》(一九二四年) と《真人廟》(一九三〇年)
おわりに
第四章 ポスト印象派と近代台湾における芸術家意識の形成――陳澄波と陳植棋を例として
はじめに
第一節 自画像
第二節 近代日本と台湾におけるポスト印象派の受容と「自己表現」
第叁节 「写実」と「表现」
第四節 陳植棋の絵画作品における「表現」とポスト印象派の画風
第五节 陈澄波の絵画様式における多重の文化要素
おわりに
第五章 陈澄波の「故郷」意识とアイデンティティ――《嘉义の町はずれ》(一九二六年)、《街头の夏気分》(一九二七年)、《嘉义公园》(一九叁七年)を中心として
はじめに
第一节 「故郷」の表象――本章の方针
第二節 自画像としての風景 ――《嘉義の町はずれ》(一九二六年)、《街頭の夏気分》(一九二七年)
第叁节 陈澄波の「故郷」意识と想像の共同体「台湾」の成立
第四節 理想の「故郷」風景と主体性――《嘉義公園》(一九三七年) を中心に
おわりに
終 章 故郷と近代の往還
あとがき
资料?参考文献表
掲载図版一覧
人名索引
関连情报
第3回东京大学而立赏受赏 (东京大学 2022年)&苍产蝉辫;&苍产蝉辫;
/ja/research/systems-data/n03_kankojosei.html
第34回伦雅美术奨励赏受赏 (公益信託 伦雅美术奨励基金 2023年11月)
関连论文:
「陳澄波の絵画に見られる「故郷」意識とアイデンティティ――《嘉義の町はずれ》(一九二六年)、《街頭の夏気分》(一九二七年)、《嘉義公園》(一九三七年) を中心として」 (『美術史論叢』第32号 pp. 35-98 2016年)
「近代台湾美術における「故郷」――黄土水と陳澄波の作品を中心に」 (『鹿島美術財団年報』別冊 第27号 pp. 157-169 2009年)