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東京大学学術成果刊行助成 (東京大学而立賞) に採択された著作を著者自らが語る広場

赤煉瓦色の表紙

书籍名

江戸町人地の空间史 都市の维持と存続

着者名

判型など

400ページ、础5判

言语

日本语

発行年月日

2018年6月28日

ISBN コード

978-4-13-026247-7

出版社

东京大学出版会

出版社鲍搁尝

学内図书馆贷出状况(翱笔础颁)

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この本は、博士論文をもとにまとめた私のはじめての単著である。工学系分野にありながら、建築学科 / 専攻には歴史を専門とする研究室がある。研究対象やその方法はさまざまだが、そのなかで私は「都市史」を専門に、日本近世の都市空間を対象とした研究をすすめている。
 
本书の舞台となる城下町?江戸は&尘诲补蝉丑;&尘诲补蝉丑;&尘诲补蝉丑;&尘诲补蝉丑;すでにそのすがたを大きく変えてしまってはいるが&尘诲补蝉丑;&尘诲补蝉丑;&尘诲补蝉丑;&尘诲补蝉丑;私たちが暮らす东京の直接の母体になった都市である。これまで、私が専攻する建筑学分野からも江戸を対象とした研究は少なからずあった。それらは、江戸がいかに计画、形成、开発されたのか、あるいは、近代化のなかで江戸がどのような継承と断絶を経て、东京へと再编成?再开発されていったのかといった、いわば空间の&濒诲辩耻辞;変化&谤诲辩耻辞;を问うものが多かった。というのも、建物のかたちやデザイン、その计画性や成立过程の考察を主たる関心事とする建筑学の立场からみると、都市がそのすがたをドラスティックに変容させる时期は大変に魅力的で、空间史としてのダイナミズムを捉えることができるからである。
 
その一方、こうした“変化”がみられない時期については、これまでの研究ではあまり扱われてこなかった。いやむしろ、こうした時期を対象化する視点や方法すら提示されてこなかったように思われる。こうしたなか本書は、都市拡大が収束した18世紀初頭から19世紀までの“変わらない (ようにみえる)”江戸の都市空間の歴史を描くことを試みたものである。具体的には、インフラの維持や管理といった一見すると地味な人びとの営みを、都市空間を“かたちづける”建築的な行為として積極的にとりあげ、都市空間がいかに秩序化され、維持されていった / されてこなかったのか。そして、そのような都市空間はどのような実態をもって1世紀ほどのあいだ存続し、人びとの暮らしをとりまいていたのかを明らかにしようとしている。
 
このように書いていると、歴史的な町並み保存や建物の維持、ひいては持続可能な開発目標 (SDGs) などといった現代的な課題設定が、本書の起点にあるように思われるかもしれない。しかし、私の意図するところはまったく違う。むしろこのような課題設定そのものを歴史的なものとして把握すること。言い換えれば、“保存”や“維持”、“持続”といった聞こえの良い言葉にまとわりつくある種の政治的?社会的正しさや肯定的ニュアンス (保存すべき、維持すべき、持続すべき) からいったん距離をとって、“保存”とは何か、“維持”とは何か、“持続”とは何か、を歴史のなかで考えることが必要ではないかというのが、私の根底にある問いである。
 
本书はあくまでも研究论文をもとにした学术书であって、私がかかげた原理的な问いに十分に応えるものではない。ただ、こうした地道な作业のうえに、私たちが生きる现代都市を批判的にみる糸口を少しでも见いだせるのではないかと思っている。

 

本の目次


空间史研究への视座と城下町江戸
第1章 江戸町人地研究と本書の視角
第2章 江戸の都市史研究と建築史学
 
II  江戸町人地と道
第3章 道支配と管理体制——町人地における歴史的展開
第4章 道と「持場」——維持管理の空間構造
 
III  江戸町人地と堀川
第5章 堀川の空間動態と存続——「古町之川岸」の実像
第6章 江戸河岸の片影——神田堀と材木仲買
 
IV  都市空间をささえる人びと
第7章 境界領域の規制と空間認識——沽券地?庇地?公儀地
第8章 町空間の再生産と民衆世界——鳶人足と火災復興
終章 江戸町人地の空間構造、その史的段階
 

関连情报

イベント:
都市史学会主催書評会 髙橋元貴著『江戸町人地の空间史 都市の维持と存続』 (2019年6月15日)