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東京大学学術成果刊行助成 (東京大学而立賞) に採択された著作を著者自らが語る広場

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书籍名

帝国日本の外交1894-1922 なぜ版図は拡大したのか

着者名

判型など

452ページ、础5判

言语

日本语

発行年月日

2017年3月28日

ISBN コード

978-4-13-036260-3

出版社

东京大学出版会

出版社鲍搁尝

学内図书馆贷出状况(翱笔础颁)

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この本は、日清戦争から第一次世界大戦后にかけての日本外交を分析し、その期间における帝国拡大の力学を明らかにしたものです。日本の対外膨张というと、一般的なイメージでは1931年の満州事変以降の歴史が想起され、推进主体としては军が注目されます。しかしそれ以前も、日清戦争后に台湾などを获得したのを皮切りに、第一次世界大戦后にかけて日本の版図は拡大し続けています。なおここで「领土」ではなく「版図」という言叶を使っているのは、必ずしも拡大しているのは「领土」ではないからです。例えば日本は満州(中国东北部)で诸権益を持ち、それは强化されていきますが、日本の「领土」が拡大しているわけではありません。そうした、割譲や併合以外の拡大の仕方も含めて、版図の拡大として论じています。
 
なぜ版図は拡大したのか。本书は、陆军や国内世论の対外强硬论ではなく、首相?外相?外务省を中心とする正规の政策决定过程と、日本外交の原则から説明しています。この时期の日本の対外膨张について従来の研究では、弱肉强食の帝国主义时代に军事?安全保障本位で适応したとか、一贯性はなくアドホックに拡大していったと捉えられていましたので、それらとは异なる新たな论を提起したことになります。
 
もっともこの本は、外交?政策决定过程の分析を通じて「なぜ版図は拡大したのか」という问いに新たな答えを示した面と、その问いを手がかりとして、いわば有効に使って、近代日本の外交と政策决定过程のあり方を浮き彫りにした面と、両面あります。外交については、外相ないし外相候补の有力外交官という集団を析出し、彼らが体现していた日本外交の原则を、利益と正当性、それらが合わさったところの「等価交换」であると论じました。日本が西洋国际社会をどのように理解し受容したのかという昔からある论点に関わるところです。政策决定过程については、明治宪法下の日本は政治的统合力を欠いていたとか首相権限が脆弱だったといった通説的理解を否定し、首相が统率する内阁を中心に外政が运営されていたことを示しました。长い期间、多くの事例を具体的に史资料を示しながら论じているため大部ではありますが、内容としては学部生でも十分に理解できる本だと思っています。
 
なお、本書の内容を紹介したエッセイとして、佐々木雄一「戦後七〇年と明治一五〇年の間で 『帝国日本の外交 1894-1922』に寄せて」(『UP』536号、2017年)、「公正」をキーワードに近代日本外交を概観したものとして、同「近代日本外交における公正 第一次世界大戦前後の転換を中心に」(佐藤健太郎ほか編『公正から問う近代日本史』吉田書店、2019年)があります。あわせて読むと本書がより理解しやすくなるかもしれません。
 

(紹介文執筆者: 佐々木 雄一 / 2020年3月25日)

本の目次

序 章 近代日本外交と帝国の拡大
 第一章 日清戦争
&苍产蝉辫; 第一节 开戦过程/第二节 戦争経过と讲和/第叁节 叁国 干渉
 第二章 日清戦后外交
&苍产蝉辫; 第一节 日露协商路线の成立/第二节 中国分割/第叁节 第二次山県内阁期の外交/第四节 北清事変
 第叁章 日露戦争
&苍产蝉辫; 第一节 日英同盟と日露开戦/第二节 讲和
 第四章 韩国併合
&苍产蝉辫; 第一节 内政改革策とその挫折/第二节 日露戦争と韩国/第叁节 併合
 第五章 辛亥革命と第一次世界大戦
&苍产蝉辫; 第一节 辛亥革命/第二节 第一次世界大戦参戦と南洋/第叁节 対华二一カ条要求とその后の対中政策/第四节 シベリア出兵
 第六章 第一次世界大戦后の外交
&苍产蝉辫; 第一节 パリ讲和会议/第二节 シベリア撤兵问题/第叁节 原内阁期の対中政策/第四节 ワシントン会议
&苍产蝉辫;终 章 なぜ版図は拡大したのか
 

関连情报

书评:
西田敏宏 評 (『年報政治学』2019-I 2019年6月10日)


北野 剛 評 (『日本歴史』第838号 2018年3月)


今週の本棚 岩間陽子 評 (『毎日新聞』東京朝刊 2017年5月7日)


新刊案内:
(『外交』Vol.43/May Jun. 2017 2017年5月)